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ああどうしよう、完全にタイミングを失った。
「兄貴、脚」
「は?」
「・・・脚。しまって」
「なんで」
「なんでじゃないでしょ!はしたない!」
「はしたないって、男に云う台詞じゃないぞ」
「ああもうなんでもいいから脚、しまって!」
「だからなんで」
「心配だから!」
「???」
「あああもう・・・こんな事なら浴衣なんて買ってくるんじゃなかった・・・」
「・・・ひょっとして、似合ってない?」
「似合ってます」
「そこは即答なのか」
「似合ってるよ!さすが兄貴だよ!着付けだって一人で出来てたし!お陰でさっきから外人さんとかチラチラチラチラ振り返ってって気が気じゃないんだよ!」
「浴衣に着付けも何もないだろ。さすがに帯は手間取ったけど」
「きれいにスルーしたね兄貴・・・。ねえ、今からでも遅くないからさ。いつもの甚兵衛に着替えない?」
「あれはパジャマだ!」
「いーじゃん俺とお揃いになるし!」
「お前のはおろしたてだからいいんだよ!」
2人は飽きることなくぎゃんぎゃんと噛み合っている。その癖、密着した身体を離そうともしない。まるで犬か猫のじゃれ合いだ。夜とはいえ、外はまだまだ暑いというのに。
「・・・せっかく潤也が買ってくれたのにな・・・」
「!」
「祭りも楽しみだったのにな・・・」
「あ、あの、兄貴」
「でも潤也はそんなに楽しくないみたいだ・・・」
「た、楽しいよ!めっちゃくちゃ楽しいに決まってんじゃん兄貴!」
「じゃあ何も問題は無いな」
「・・・あぅ・・・」
「それにしても詩織ちゃん遅いなー」
「・・・詩織なら、その辺で髪留めでも落して這いつくばってるよ」
って、気付いてたなら声掛けてくれれば良いのに。
思わず顔を上げた先に、きらりと光るものを見つけた。アゲハ蝶に似た、二対の羽を模した髪飾り。
なんだ、こんな所にあったのね。
「お待たせしました!」
私は立ち上がって、2人の前に駈け出した。
某方の夏祭り企画にインスパイア。というか便乗。
夏ももう終わりですが、やっぱ浴衣はやっとかんと・・・!
浴衣と甚兵衛は公式のバックステージから。
兄貴のパジャマとエプロンは潤也プロデュースだと信じてる。
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▼site master:サクラコ
文章と絵の人。黒猫属性。
お返事は速かったり遅かったりまちまちです。
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▼guest:クロシバ ケイタロウ
漫画の人。柴犬属性。
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